反ワクチンのチラシにご注意ください

 3月から5歳以上の小児への新型コロナウイルスワクチン接種が開始
されますが、それにともない全国で、小児への接種に反対する団体が
いろいろな”反ワクチン運動”をしています。

 当地でも、先日、帰宅途中の小学生に、そのような団体がワクチン反対の
チラシを配るという事態が発生しました。
(”ワクチンってあぶないの?”、マスクってムダだしあぶないんだよ!”と
いう見出しのチラシです)

 当院受診の患者さんからそのチラシを入手し、内容を確認しました。
確かに、一部納得できる主張はありましたが、総合的に判断すると、
自分たちの主張に添うように都合よくデータを解釈し、反ワクチンにつなげようとする意図が感じられる、非常に問題の多いチラシだと思います。

 例えば、 
”1431人いじょうがワクチンをちゅうしゃをしてから、しんでしまった”という
記載があります。
 当院でも、これらの死亡例の中には、もしかしたらワクチンによる死亡では
ないかと疑われる例があるのではと考えていますが、その大部分は
ワクチンとは無関係と考えられる死亡であり、このような記載は、
1431人すべてがワクチンで死亡したと勘違いさせる、非常に恣意的で
問題のある記載です。

 先日もホームページで、小児へのコロナワクチン接種に対する当院の
考えをお伝えしていますが、当院では、コロナワクチンがまったく意味がない
ワクチンであるとは考えていませんし、特に高齢者にとっては非常に有効な
ワクチンであったと考えています。 
 ただ、現在の状況と、小児がコロナにかかった場合の症状、ワクチンによって起こりうる副反応を天秤にかけて考えた結果、”現時点では”小児への接種はお勧めできませんとお伝えしました。

 どのような薬、ワクチンでも必ずメリット、デメリットはあります。
そのメリット、デメリットを、その時々の状況で冷静に判断し、最適な方法を
選択することが大切であり、”ワクチンすべてが安心である”、あるいは、
”ワクチンすべてが有害である”といった、一方の意義を完全に無視するような
極端な考え方は非常に危険です。

 そもそも、年齢的に冷静な判断を行うことが難しい子供たちに、直接
このような(子供が読めるようにほとんどひらがなで書かれています)チラシ
を配り、恐怖心を与えるやり方は非常に卑怯であり、強い憤りを覚えます。

 皆様には、このような非常に問題のある”運動”に惑わされることのない
ようにくれぐれもお願いいたします。 
 ワクチン等に関してご心配な点、疑問点がありましたら、当院受診時に
その旨をお伝えいただければわかる範囲ではありますがお話させて
頂きます。


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